「台湾旅行を計画しているけれど、台風が心配」「台風シーズンに台湾旅行を予定しているが大丈夫だろうか」という疑問を持つ方は少なくありません。
台湾は日本と同様に台風の影響を強く受ける島国であり、毎年複数の台風が接近・上陸します。旅行の時期によっては台風に直面するリスクがあり、航空便の欠航・交通機関の運休・観光地の閉鎖といった影響が旅行計画に大きく関わってきます。
しかし「台風があるから台湾に行けない」という話ではまったくありません。台風のシーズン・発生パターン・現地での対応方法・事前準備をしっかり理解しておけば、台風シーズンでも安全に台湾旅行を楽しむことは十分に可能です。
この記事では、台風シーズンの時期、旅行への影響、現地での行動、出発前の準備まで、台湾の台風について旅行者が知っておきたいことをまとめます。旅行前にこの記事を読んで、万全の準備を整えてください。
台湾の台風シーズンはいつか
台湾の台風シーズンは一般的に6月から10月にかけてとされており、特に7月・8月・9月の3カ月間に集中しています。
月ごとの台風のリスクの目安は次のとおりです。
| 月 | 台風のリスクの目安 |
|---|---|
| 1月〜4月 | 台風の心配はほぼない |
| 5月〜6月 | まれに接近することがある。6月はシーズンの始まり |
| 7月〜9月 | もっとも台風が多い時期。特に注意が必要 |
| 10月〜11月 | 接近することがある。シーズン終盤でも油断しない |
| 12月 | 台風の心配はほぼない |
台風の数や進路は年によって大きく違います。7月〜9月は台湾旅行で最も台風のリスクが高い時期なので、この時期に旅行する場合は、出発前と旅行中に台風情報をこまめに確認しましょう。
台湾の台風が旅行に与える影響の実態
台風が台湾に接近・上陸した際の旅行への影響を具体的に把握しておくことが、適切な対応をとるうえで不可欠です。
航空便への影響:欠航・遅延
台湾では台風警報が発令されると、台湾の航空当局・各航空会社が安全を優先してフライトの欠航・遅延・引き返しを決定します。
台風の規模や進路によっては、台湾発着の全フライトが1〜2日間にわたって運休になるケースもあります。
- 事前対応のポイント:台風接近の予報が出た時点で、航空会社の公式サイト・アプリで運行状況を確認し、早めに変更の可否を確認する。多くの航空会社では台風接近時に無償変更・払い戻しに対応するポリシーを設けている
- LCCの注意点:格安航空会社(LCC)は台風による欠航時の補償が正規運賃の航空会社より限定的な場合がある。旅行保険の重要性がより高い
台湾高速鉄道(高鉄)への影響
台湾高鉄(台湾新幹線)は台風警報が発令された場合、安全確保のために運行速度の制限・一部区間の運休・全線運休などの措置がとられます。
通常、強風が一定値を超えると速度制限が始まり、さらに強くなると運転見合わせになります。
台湾南北間(台北〜高雄)を移動している最中に台風が接近した場合、中間駅で足止めになることも想定されるため、台風接近時の長距離移動は可能であれば前後に日程を調整することをおすすめします。
台湾鉄道(台鐵)・バスへの影響
台湾鉄道は強風・大雨の状況に応じて速度制限・区間運休・全線運休を実施します。
特に台湾東部(宜蘭〜花蓮〜台東)を走る路線は山と海に挟まれた地形を走るため、台風時は土砂崩れ・落石・波浪による線路損傷が起きやすく、運休になりやすい区間です。
花蓮・太魯閣観光を計画している方は、台風接近時には訪問を避けるか、余裕ある日程で計画することが特に重要です。
台北MRT(地下鉄)への影響
台北MRTは地下区間が多いため、台風時でも比較的通常運行を維持できます。ただし地上区間(木柵線・文湖線の一部など)では強風により速度制限・運休が発生することがあります。
台風時の台北市内移動ではMRTが最も信頼できる交通手段です。
観光地・施設の閉鎖
台湾では台風警報発令中、以下のような施設が閉鎖されることが一般的です。
- 国立公園・山岳地帯(太魯閣国家公園・阿里山・玉山など)
- 離島(緑島・小琉球・澎湖・金門・馬祖など)への船便・フライト
- 屋外の観光スポット・公園・海水浴場
- 九份・野柳地質公園など屋外が主体の観光地
- テーマパーク・遊園地の屋外エリア
台北101展望台・国立故宮博物院・美術館などの屋内施設は状況によって開館していることもありますが、台風警報の発令レベルによっては閉館になる場合もあります。
台風時の「休業日」文化
台湾には台風が接近すると「颱風假(タイフォンジャ)」と呼ばれる台風による臨時休業日が発令される制度があります。
颱風假は台湾政府が地域ごとに発令し、対象地域では学校・多くの企業・店舗・コンビニを含む各種サービスが休業または時短営業になります。
「颱風假が出るほどの台風」の際には、街全体が静まり返った状態になることもあります。コンビニや食堂も閉まることがあるため、食料・飲料水・懐中電灯・充電バッテリーなどの備えが必要です。
台湾の台風警報レベルの仕組み
台湾の台風警報は台湾の交通部中央気象署が発令しており、日本の警戒レベルとは異なる独自の基準を使っています。
日本人旅行者が把握しておくべき主な警報は以下の2種類です。
海上台風警報(海上颱風警報)
台風が台湾付近の海上に接近し、海上で暴風が発生する恐れがある段階で発令されます。
この段階では陸上での日常活動はまだ可能ですが、沿岸部・漁港・離島への移動は危険になります。離島への船便・フライトはこの段階で欠航し始める場合があります。
陸上台風警報(陸上颱風警報)
台風が陸上に暴風をもたらす恐れが高まった段階で発令されます。
この警報が発令されると颱風假の発令、公共交通機関の大幅な運休・縮小、観光施設の閉鎖が本格的に始まります。旅行者は外出を控え、ホテルに待機することが強く推奨されます。
台湾旅行中に台風が来たときの安全な行動指針
台湾旅行中に台風が接近・上陸した場合、以下の行動指針を参考にしてください。
情報収集を最優先にする
台風の動向は急激に変化します。こまめに情報を確認し、最新の状況を把握することが最も重要です。
- 交通部中央気象署(官方サイト・英語・中国語対応):https://www.cwa.gov.tw — 台湾政府公式の気象情報。台風の現在位置・進路予想・警報レベルをリアルタイムで確認できる
- 日本台湾交流協会(緊急連絡先):+886-2-2713-8000 — 日本語で緊急時のサポートを受けられる
- 台湾観光ホットライン(24時間・日本語対応):0800-011-765(台湾国内フリーダイヤル)— 台風時の観光情報・緊急相談に対応
- 日本外務省 海外安全情報:https://www.anzen.mofa.go.jp — 台風接近時に緊急情報が掲載される場合がある
ホテルに留まる判断を早めにする
陸上台風警報が発令されたら、外出は最小限にとどめてホテルに留まることが基本です。
台風時にホテルの外に出ることは、強風による看板の落下・倒木・増水した側溝への転落などの命にかかわるリスクがあります。
「せっかくの旅行だから」という気持ちは理解できますが、台風時の外出は絶対に避けてください。
食料・水・バッテリーを事前に確保する
台風が接近する前(前日・前々日)のうちに、以下のものをコンビニ・スーパーで購入しておくことをおすすめします。
- 飲料水(1人あたり最低2〜3L)
- 非常食(カップ麺・パン・クラッカー・缶詰など)
- モバイルバッテリーの充電を満タンに
- 懐中電灯・ろうそく(停電対策)
- 薬(常備薬・酔い止め・消毒薬)
- 雨具(折りたたみ傘・レインコート)
台風警報が発令されてからコンビニに行くと、食料・水が売り切れている場合があります。早め早めの備えを心がけてください。
航空会社・ホテルへの早期連絡
台風の接近が予報された時点で、利用予定の航空会社・宿泊ホテルに状況を確認し、必要であれば日程変更・キャンセルの手続きを早めに行ってください。
多くの航空会社・ホテルは台風を「不可抗力」として無償変更・キャンセルに対応するポリシーを持っていますが、台風警報発令後は問い合わせが殺到して繋がりにくくなります。早急な対応がベストです。
台湾の台風時に役立つ情報収集ツール
スマートフォンさえあれば、以下のツールで台湾の台風情報をリアルタイムに把握できます。
アプリ
- Windy(ウィンディ):世界中の風・雨・気圧をリアルタイムで視覚化するアプリ。台風の現在位置・勢力・進路を地図上で直感的に確認できる。無料でも十分に使えるおすすめアプリ
- tenki.jp:日本気象協会の公式アプリ。台湾周辺の台風情報も日本語で確認可能
- Yahoo!天気:日本語で台湾の天気・台風情報を確認できる
ウェブサイト
- 台湾交通部中央気象署([https://www.cwa.gov.tw](https://www.cwa.gov.tw)):台湾政府の公式気象情報。台風の警報・進路予想・各地の降水状況が確認できる
- 日本気象庁([https://www.jma.go.jp](https://www.jma.go.jp)):日本語で太平洋・アジア地域の台風情報を確認できる。台湾周辺の台風進路予報も掲載
- 米軍合同台風警報センター(JTWC):英語サイトだが、太平洋の台風情報の精度が高く、早期の進路予想に役立つ
台湾旅行の台風対策:出発前にやるべきこと
台風シーズンに台湾旅行を計画している場合、出発前の準備が旅行の安全性を大きく左右します。
旅行保険への加入は必須
台風による旅行への影響(航空便欠航・旅行中止・現地での治療費)をカバーするために、旅行保険への加入は台風シーズンの台湾旅行において必須と考えてください。
旅行保険を選ぶ際には以下の補償内容を確認してください。
- 航空機遅延・欠航補償:台風により航空便が欠航・遅延した場合のホテル代・交通費の補償
- 旅行中断補償:台風等の自然災害で旅行を中断した場合の未使用分の補償
- 海外医療補償:台風による負傷・体調不良時の医療費補償。台湾の医療費は日本より安いが、入院・手術が必要になった場合は高額になる可能性がある
- 携行品補償:台風の影響でホテルやバッグが損害を受けた場合の補償
クレジットカードに自動付帯されている旅行保険は補償内容が限定的な場合があります。台風シーズンの旅行では、単独の旅行保険(年間型・個別型)への加入を強くおすすめします。
台風情報の確認方法を出発前に把握する
旅行中にどのウェブサイト・アプリで台風情報を確認するかを出発前に決めておき、アプリのインストール・ブックマーク登録を済ませておいてください。
現地でインターネットに接続できることが前提になるため、SIMカード・eSIMの準備も出発前に行ってください。
宿泊ホテルのキャンセルポリシーを確認する
台風シーズンに旅行する場合、予約するホテルのキャンセルポリシーをあらかじめ確認しておいてください。
「自然災害時は無償キャンセル可」の規定があるホテルを選ぶと、台風で旅行計画が変更になった際のリスクを最小化できます。
航空券は変更・払い戻しのしやすい料金タイプを選ぶ
LCC(格安航空会社)の中でも変更手数料・払い戻し手数料の規定はキャリアによって異なります。
台風シーズンに旅行する場合は、若干割高でも「変更・払い戻しが比較的柔軟な料金タイプ」を選ぶことをおすすめします。
台湾の台風時に「してはいけない」こと
- 台風上陸中に海岸・川・橋に近づかない:高波・鉄砲水・洪水で命を落とすリスクがある。観光目的でも絶対に近づいてはいけない
- 山間部・渓谷・滝の観光を強行しない:太魯閣・阿里山・烏来など山間部への観光は台風時には土砂崩れ・落石の危険があり、実際に人命が失われた事故が過去に発生している
- 台風接近中に離島へ移動しない:澎湖・小琉球・緑島・金門などへの船便・フライトは台風時に全欠航となることが多く、離島に閉じ込められるリスクがある
- 強風の中で傘を差して歩かない:台湾の台風は暴風を伴うため、傘が折れて危険になるだけでなく、強風で体が飛ばされるほどの危険が生じることがある。雨具はレインコートが安全
- SNSの不確かな情報に惑わされない:台風時はデマ・誤情報がSNSで拡散されやすい。公式情報源(台湾中央気象署・日本外務省・航空会社公式サイト)のみを信頼する
台風シーズンを避けた旅行のベストシーズンとは
台風リスクをゼロに近づけたい方には、以下の時期の旅行がおすすめです。
- 10月下旬〜12月:台風シーズンがほぼ終わり、気温も下がって過ごしやすい。北部(台北)は秋雨が多いが、南部(台南・高雄)は晴天の日が多く観光に最適。特に11月〜12月の台湾南部は「最高のシーズン」と言われる
- 1月〜3月:台風は皆無・観光客が少なく穴場シーズン。台北・台中は雨が多く肌寒い日もあるが、南部は温暖で過ごしやすい。旧正月(春節)前後は観光スポット・飲食店の休業に注意が必要
- 4月〜5月(梅雨前):台風リスクがほぼなく気温も穏やか。4月は花蓮・太魯閣の景色が美しく、花見(桜)も楽しめる。5月下旬からは梅雨入りで雨が増える
台湾は年間を通じて旅行できる魅力がありますが、台風を最も避けたいなら11月下旬〜翌年4月が最も安全なシーズンです。
台湾の台風と旅行保険:実際の申請で押さえるべきポイント
台風による被害が生じた際に、旅行保険の申請を円滑に行うために以下を覚えておいてください。
- 欠航・遅延の証明書を受け取る:航空会社の地上スタッフに欠航・遅延の証明書(フライト証明書)を発行してもらう。保険申請時に必要になる
- 追加でかかった費用の領収書を保存する:欠航によりホテルに追加宿泊した際の領収書・タクシー代の領収書などは必ず保管する
- 保険会社の緊急連絡先に早めに連絡する:被害が確定してからではなく、台風の影響が出始めた時点で保険会社に状況を報告・相談しておくと手続きがスムーズになる
- クレジットカード付帯保険と単独保険の両方を確認する:両者で補償範囲・上限が異なることがあり、うまく組み合わせることで受け取れる補償額が増えることがある
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台湾旅行と台風のまとめ
- 台湾の台風シーズンは6月〜10月ごろ。特に7月・8月・9月は台風が多く、注意が必要
- 台風接近時は航空便の欠航・高鉄・台鐵の運休・観光地閉鎖・颱風假(臨時休業日)の発令が起こりうる
- 陸上台風警報発令中はホテルに留まり、外出を避けることが最優先。海岸・山間部・離島への移動は絶対禁止
- 台風シーズンの台湾旅行には旅行保険への加入が必須。航空便遅延・旅行中断・海外医療の補償内容を事前に確認する
- 台風情報はWindy・tenki.jp・台湾交通部中央気象署・日本気象庁で確認。緊急時は台湾観光ホットライン(0800-011-765・日本語対応24時間)に相談できる
- 台風リスクをゼロにしたいなら11月下旬〜翌年4月の旅行がベスト。特に台湾南部(台南・高雄)の11〜12月は晴天率が高く、最高のシーズンのひとつ
台湾の台風は確かに旅行のリスク要因のひとつですが、事前に正しい知識と対策を持っていれば恐れすぎる必要はありません。
旅行計画の段階でシーズンを意識し・保険に加入し・情報収集の準備をしておくことで、台風シーズンの台湾旅行も安全に、そして存分に楽しむことができます。
