台湾を国として認めている国はどこ?12カ国の一覧と日本・アメリカの立場を解説

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「台湾は国なのか、それとも地域なのか」という疑問を持ったことはありませんか。

オリンピックでは「チャイニーズタイペイ」という名称で参加し、国連にも加盟していない台湾。

しかし実際には独自の政府・軍隊・通貨・法律を持ち、民主主義国家として独自の外交を展開しています。

この記事では、台湾を国として正式に承認している国の一覧・日本とアメリカが承認しない理由・台湾の歴史的背景・「一つの中国」政策の意味まで、わかりやすく解説します。

台湾に関心がある方、国際情勢に興味がある方にとって役立つ内容をお届けします。

目次

台湾を国として認めている国は現在12カ国

2025年時点で、台湾(中華民国)を正式な国家として外交承認している国は世界でわずか12カ国です。

これは世界196カ国・地域のうちのほんの一部にすぎません。

日本外務省の公式情報および台湾外交部の発表によると、2025年時点で台湾と正式な外交関係を持つ国は以下の通りです。

台湾を承認している12カ国一覧(2025年時点)

中南米・カリブ海(7カ国)

  • ベリーズ(中央アメリカ)
  • グアテマラ(中央アメリカ)
  • ハイチ(カリブ海)
  • パラグアイ(南アメリカ)
  • セントクリストファー・ネーヴィス(カリブ海)
  • セントルシア(カリブ海)
  • セントヴィンセント・グレナディーン(カリブ海)

太平洋(3カ国)

  • マーシャル諸島(太平洋)
  • パラオ(太平洋)
  • ツバル(太平洋)

アフリカ(1カ国)

  • エスワティニ(南部アフリカ)

ヨーロッパ(1カ国)

  • バチカン市国(ヨーロッパ)

これらの国々は台湾との間に正式な外交関係を持ち、大使館や代表機関を設置しています。

台湾はこれらの国々に対して経済援助・技術支援・医療協力などを積極的に行い、外交関係の維持に努めています。

なぜ台湾を認める国はこれほど少ないのか

台湾を承認する国がわずか12カ国にとどまっている最大の理由は、中国(中華人民共和国)の外交的影響力です。

中国は世界各国に対して「一つの中国」原則への同意を外交関係の前提条件としており、「台湾は中国の一部である」という立場を認めることを求めています。

世界第2位の経済大国であり、国連安全保障理事会の常任理事国でもある中国との外交関係・経済関係を重視する多くの国は、台湾を正式承認することを避けています。

さらに中国は、台湾と国交を持つ国に対して多額のインフラ支援・経済援助を条件に「断交」を働きかけることがあります。

実際に2023年にはホンジュラスが台湾と断交して中国と国交を樹立し、2024年にはナウルが同様に断交するなど、台湾承認国は近年も減少しています。

「一つの中国」政策とは何か

台湾問題を理解するうえで欠かせないのが「一つの中国(One China Policy)」という概念です。

これは「中国はひとつであり、台湾はその一部である」という政治的立場を指します。

ただし「一つの中国」には2つの異なる解釈が存在します。

中国(中華人民共和国)は「中国大陸も台湾もすべて中華人民共和国のものであり、北京政府が唯一の合法的な政府である」という立場を取っています。

一方、台湾(中華民国)は長らく「中国大陸も含めて中華民国が唯一の合法的な政府である」という立場を取ってきましたが、現在では多くの台湾人が「台湾は独立した民主主義国家である」というアイデンティティを持っています。

この根本的な対立が、台湾問題を複雑にしている最大の要因です。

台湾の歴史的背景

台湾の現在の立場を理解するためには、歴史的な背景を知ることが重要です。

中華民国の成立と台湾への移転

1912年、清朝の崩壊後に中華民国が成立しました。

その後、中国では国民党(中華民国政府)と共産党(中国共産党)による内戦が続きました。

1949年、内戦に敗れた国民党の蒋介石率いる中華民国政府は台湾島に撤退し、台北を臨時首都としました。

同年、中国大陸では毛沢東率いる中国共産党が中華人民共和国の建国を宣言しました。

こうして「中国大陸の中華人民共和国」と「台湾島の中華民国」という2つの政権が並立する状況が生まれました。

国連代表権の問題

1971年以前、国連の「中国」代表権は台湾(中華民国)が保有していました。

しかし1971年の国連総会決議2758号により、「中国の合法的な代表」は中華民国(台湾)から中華人民共和国(中国)に移されました。

この決議以降、台湾は国連から事実上排除され、多くの国が台湾との国交を断って中国と国交を結ぶ流れが加速しました。

日本・アメリカの台湾との断交

日本は1972年の日中国交正常化に際して、中国との国交を結ぶ代わりに台湾(中華民国)との正式な外交関係を断ちました。

アメリカは1979年に中国と国交を正常化し、台湾との公式な外交関係を終了させました。

しかし両国とも台湾との実質的な関係は維持しており、特に非公式な外交・経済・安全保障上の関係は継続しています。

日本は台湾をどのように扱っているか

日本と台湾の間には正式な外交関係(国交)はありません。

しかし「非公式な関係」として非常に緊密な結びつきがあります。

日本は台湾に大使館の代わりとして「公益財団法人日本台湾交流協会」を台北・高雄に設置しており、実質的な外交機能を担っています。

台湾側も東京・横浜・大阪・福岡・那覇に「台湾日本関係協会」の事務所を置き、ビザ申請・領事サービス・経済交流を行っています。

経済面では日本と台湾は非常に深い関係にあります。

日本は台湾にとって重要な貿易相手国であり、台湾の半導体産業(TSMCなど)と日本の製造業のサプライチェーンは密接に絡み合っています。

また2021年の新型コロナウイルスワクチン提供・2024年能登地震への台湾からの支援など、人道的な相互支援も継続しています。

世論調査では日本人が「最も親しみを感じる国・地域」として台湾が上位に挙げられており、民間レベルでの関係は非常に良好です。

アメリカは台湾をどのように扱っているか

アメリカと台湾の関係は、世界の中でも最も重要かつ複雑な関係のひとつです。

アメリカは1979年に台湾との正式な国交を断ちましたが、同年に制定された「台湾関係法(Taiwan Relations Act)」により、台湾との実質的な関係維持・防衛支援の継続が法律で定められています。

この法律に基づき、アメリカは台湾に武器・防衛装備を供与する権利を持っており、実際に継続的な武器売却を行っています。

またアメリカは台湾に「アメリカ在台協会(AIT:American Institute in Taiwan)」を設置しており、事実上の大使館として機能しています。

台湾をめぐる米中関係の緊張は近年高まっており、アメリカ議会では台湾への支持を明確にする法案が相次いで可決されています。

2022年にはナンシー・ペロシ下院議長(当時)が台湾を訪問して国際的な注目を集め、中国が大規模な軍事演習を実施するなど緊張が高まりました。

台湾を正式承認していないが実質的な関係を持つ国々

台湾を正式承認している国はわずか12カ国ですが、正式な国交を持たないまま台湾と実質的な関係を維持している国は世界中に存在します。

これらの関係は「非公式な外交関係」とも呼ばれます。

  • 日本:日本台湾交流協会・台湾日本関係協会を通じた実質的な外交関係
  • アメリカ:アメリカ在台協会(AIT)を通じた外交・安全保障関係。台湾関係法に基づく防衛支援
  • オーストラリア:経済・貿易・人的交流での緊密な関係
  • カナダ:台湾カナダ貿易弁事処・カナダ台湾オフィスを通じた実務関係
  • イギリス:英国在台貿易文化辦事處を通じた経済・文化関係
  • EU加盟国:経済・貿易関係を中心に実質的な関係を維持
  • インド:近年、印台関係の強化が進んでいる
  • 韓国:正式国交はないが、貿易・経済関係は非常に深い

2025年のローウィ研究所の調査によると、国連加盟国のうち約74%(142カ国)が「台湾は中国の一部である」とする中国の立場を明示的に支持している一方で、23カ国は一つの中国原則を支持しておらず、残りの国々は「認識」または「尊重」といったあいまいな立場を取っています。

つまり「正式に承認していないが中国の立場にも同意していない」という国が相当数存在することがわかります。

台湾の承認国が減少し続けている背景

冷戦終結後から現在にかけて、台湾の承認国は減少傾向にあります。

ピーク時には30カ国以上が台湾を承認していましたが、現在は12カ国まで減少しています。

この背景には以下のような要因があります。

中国の「チェックブック外交」

中国は多額のインフラ投資・経済援助を条件に、台湾承認国に対して断交を働きかける外交戦術(チェックブック外交とも呼ばれる)を展開しています。

中南米・アフリカ・太平洋諸島など経済的に脆弱な国々が中国の経済支援と引き換えに台湾と断交するケースが続いています。

中国の経済的影響力の拡大

中国は世界第2位の経済大国として国際的な影響力を高めており、中国との経済関係を重視する国々にとって台湾承認のコストは大きくなっています。

一帯一路政策を通じてアジア・アフリカ・中南米への影響力を拡大した中国は、これらの地域での台湾の外交スペースを狭めています。

近年の断交事例

近年の主な断交事例として以下が挙げられます。

  • 2018年:ドミニカ共和国・ブルキナファソ・エルサルバドルが断交
  • 2019年:ソロモン諸島・キリバスが断交
  • 2021年:ニカラグアが断交
  • 2023年:ホンジュラスが断交
  • 2024年:ナウルが断交

このように、台湾承認国は継続的に減少しており、外交的孤立が深まる状況にあります。

台湾自身はどう考えているか

台湾(中華民国)政府は、正式承認国の少なさにかかわらず、独自の国家としての機能・運営を続けています。

台湾には独自の憲法・政府・議会・軍隊・通貨(台湾ドル)・外交機関があり、実質的に独立した国家として機能しています。

台湾の世論調査では、近年「自分は台湾人である」と答える人の割合が増加しており、「中国人である」と答える人の割合は低下傾向にあります。

また「台湾の独立を望む」または「現状維持を望む」と答える人の割合が多数を占めており、「中国との統一を望む」という意見は少数派となっています。

現在の台湾政府(民進党・頼清徳政権)は、正式な独立宣言こそ行っていないものの、台湾のアイデンティティと主権を強調する立場を取っています。

台湾の国際参加の現状

台湾は国連に加盟できていませんが、様々な国際的な場で独自の存在感を示しています。

  • オリンピック:「中華台北(Chinese Taipei)」という名称で参加。自国の国旗・国歌を使用できず、特別なオリンピック旗・曲が使用される
  • WTO(世界貿易機関):「台湾・澎湖・金門・馬祖独立関税区域(Chinese Taipei)」として加盟
  • APEC(アジア太平洋経済協力):「チャイニーズタイペイ」として参加
  • WHO・国連関連機関:中国の反対により加盟・参加が妨げられているケースが多い。新型コロナウイルス対応時にWHOへの参加を拒否された問題は国際的に注目を集めた

多くの国際機関での台湾の参加が中国の圧力によって制限されている現実は、台湾の外交的な課題のひとつとなっています。

台湾問題が注目される理由

台湾問題が国際社会で重要視される背景には、地政学的・経済的・安全保障上の複数の要因があります。

半導体産業の重要性

台湾は世界の半導体生産において圧倒的なシェアを持ちます。

世界最大の半導体受託製造企業であるTSMC(台湾積体電路製造)は、世界の先端半導体の大部分を生産しており、スマートフォン・AI・自動車・軍事技術に欠かせない部品を供給しています。

台湾の政治的安定は世界のサプライチェーン全体に直結しているため、各国が台湾情勢に敏感になっています。

東アジアの安全保障

台湾海峡の安定は東アジア全体の平和と安定に密接に関連しています。

中国は台湾統一を国家目標として掲げており、軍事力による統一の可能性を排除していません。

アメリカ・日本・オーストラリアなどは台湾の安全保障に深い関心を持っており、台湾海峡有事は東アジア全体の安全保障危機につながる可能性があります。

民主主義の象徴としての台湾

台湾はアジアにおける民主主義の先進国として国際的に高い評価を受けています。

定期的な選挙・表現の自由・報道の自由・LGBTQ+権利の保護など、民主主義的価値の実践において台湾はアジアのモデルとして注目されています。

「権威主義的な中国 vs 民主主義的な台湾」という構図は、国際社会の価値観の対立を象徴するものとして広く認識されています。

よくある質問

Q. 台湾は国連に加盟していますか?

台湾は国連に加盟していません。

1971年の国連総会決議2758号により、「中国の合法的な代表権」が台湾(中華民国)から中国(中華人民共和国)に移されて以来、台湾は国連から事実上排除されています。

台湾は繰り返し国連への参加を試みていますが、中国の反対によって加盟申請が阻まれています。

Q. 日本人は台湾旅行にパスポートが必要ですか?

はい、必要です。

日本と台湾の間には正式な外交関係はありませんが、日本人は台湾への入国にパスポートが必要です。

ただし観光目的の短期滞在(90日以内)はビザなしで入国できます。

Q. 台湾人は日本に来るときにビザが必要ですか?

台湾のパスポート保持者は日本へのビザなし渡航が認められています(観光目的・90日以内)。

日本と台湾の間の人的交流は非常に活発であり、相互のビザ免除は両地域間の良好な関係を示しています。

Q. 台湾はオリンピックにどのような名前で参加していますか?

「中華台北(Chinese Taipei)」という名称で参加しています。

自国の国旗・国歌の使用は認められておらず、特別な「チャイニーズタイペイ旗」と専用の競技曲が使用されます。

これは1981年に台湾オリンピック委員会とIOCが合意した「ナゴヤ決議」に基づくものです。

Q. 台湾問題は今後どうなるのでしょうか?

台湾問題の行方は現時点では不透明です。

中国は「平和的統一」を訴えながらも軍事オプションを排除していません。

台湾側は現状維持を基本方針としながら、民主主義国家としての国際的なプレゼンスを高める外交を続けています。

アメリカ・日本などの民主主義陣営は台湾支持の姿勢を強めており、台湾問題は今後も国際社会の大きな焦点であり続けると予想されます。

まとめ

台湾を国として正式に承認している国は2025年時点でわずか12カ国にとどまっています。

しかし正式承認国の数が少ないことは、台湾の実態を必ずしも反映しているわけではありません。

台湾は独自の政府・軍隊・通貨・民主的な政治制度を持ち、2,300万人の人々が暮らす活力ある社会を形成しています。

日本・アメリカ・EU諸国など多くの民主主義国家が正式国交こそ持たないものの、実質的に台湾を重要なパートナーとして扱っています。

台湾問題はただの外交問題にとどまらず、半導体産業・東アジアの安全保障・民主主義の価値観という複数の観点から、日本を含む国際社会全体にとって重大な意味を持つ問題です。

台湾への理解を深めることが、変動する国際情勢を正しく読み解くための第一歩となります。

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